明け方、9日目に体験した電光石火の激痛をも凌ぐ激痛で目を覚ましました。ズキズキ+ドクンドクン+チクチクが、凄まじい勢いで交互に襲います。それまで感じたことのない、まさに悶絶するかのような激痛です。
たまらなくなって歯科医に電話すると、
「痛み止めのロキソニンを飲んで、しばらく経過観察するように」
この段階で、私は、翌日に予定していた帰国をあっさりと断念。それほど、痛みが尋常ではなかったのです。私は、飛行機会社に延期を伝え、2日間、痛みが治まるのを待ちました。が、治まるどころか、ますます痛みが増します。もうどうにもなりません。再び、歯科医に駆け込みました。
先生は、「残髄(神経や歯質の残存物)、あるいは側枝の痛み」の可能性を示唆されました。側枝とは聞き慣れない言葉ですが、「歯の神経はかなり複雑な構造をしており、1本の根っこの先に20〜30個の微細な穴が開いている。そして、その穴のひとつひとつが持っている管のことを側枝」というんだそうです(参考資料「歯チャンネル88」)。歯の神経って、本当にやっかいなんですね。
「残髄、あるいはの側枝の痛み」を取り除くために、先生は、前日に助手の方がされた作業=根管治療を再点検し始めました。つまり、グィーンとうなる例の器具を使い、埋めていたセメントをはずし、針のような器具(写真)で、神経を抜いて空洞になった管をガリガリと掃除するのです。
約15分ほどでガリガリは終わりました。再び管に薬をつめ、仮のセメントで穴を塞いで、治療終了です。
この度は、助手の方ではなく、先生が気合いを入れて治療にあたってくれたことですし、「今度こそ痛みとさらば!」と、すっきりした気分で私は歯科医を後にしました。
だのに、だのにです。その晩、電光石火や、ズキズキ+ドクンドクン+チクチクをも凌ぐ激痛が、私を襲ったのでした。身も世もない痛みです。
そして、この夜から、「地獄のロキソニン、および氷枕生活」が、なんと20日近くも続くことになったのでした。
【付記】 通院した医院では、根管治療の際、ラバーダムというゴムのマスクを装着しくれました。ラバーダムには、外部からの細菌感染を防ぐ役割があります。日本では、ラバーダムを使用する歯科医院は限られているようですが、それは、医療保険の関係上、歯医者さんにとって不利益になるからだそうです。逆にいえば、「何も言われなくてもラバーダムをする歯科医院は、非常に良心的」と、「歯チャンネル88」では解説しています。
【歯根膜炎に関する参考サイト】
→歯チャンネル88「歯根膜炎と思われる症状だったのに抜髄、しかもまだ疼きます」
→歯根膜炎《河田歯科医院》(歯根膜炎について図解しています。ただし、私が通院した歯科医ではありません。)
【その他の参考サイト】
→東京・エド日本橋歯科(抜髄について書かれています。ただし、私が通院した歯科ではありません。)