長く苦しく、そして何より痛かった、私の歯根膜炎。その原因は歯のヒビ、したがって処置は抜歯——このようにして、一件は落着しました。下の写真が、抜歯された私の歯です。上下にヒビが入っているのがわかるでしょうか? 歯の底にまで、くっきりとヒビが入っています。
それにしても、これほどのヒビ、第1&第2の医師には見えなかったのでしょうか? 疑問は残りますが、まぁ、済んだことに愚痴は申しますまい。ただ、振り返ってみると、おふたりの医師は、コンピュータ画面に映し出されたレントゲン写真ばかりご覧になっていた気がします。歯のヒビは、レントゲンには映らないことが多いとか。
それに較べて、銀座の名医は、もちろんレントゲンも熱心にチェックされていましたが、歯そのものを根気よく診ておられました。そして、そこに勝因がありました。
しかし、ネットで歯根膜炎を検索したところ、原因に歯のヒビを指摘する歯科医は本当に少ないですね。歯髄(歯の神経他)が完全に取り切れていないとか、噛み合わせが高いといった見解が一般的なようです。ヒビは死角なのかもしれません。
とはいえ、歯のヒビが原因というケースが皆無ではないことが私によって立証されたのですから、現在、歯根膜炎で痛い思いをされている方は、ダメもとでヒビを疑ってみる価値ありだと思います。
なお、「歯根膜炎の治療に8カ月も通院されている方」(本当に気の毒で、目頭が熱くなります)に対して、珍しくある医師が「歯のヒビの可能性を示唆」しているサイト(歯チャンネル88「歯のヒビ(ひび割れ)」)がありますので、藁をもつかむ思いの方は、参考になさってください。
さて、抜歯から1週間。
抜歯という形で原因は排除されたものの、痛みはまだまだおさまりません。歯茎の中に、いまだに〈何か生物が棲んでいて暴れ回っているような痛さ〉で、その上、歯根膜炎の特徴である〈歯が浮いた感じ〉も顕著です。
歯がないにもかかわらず、〈歯が浮いた感じ〉っていうのもおかしな話ですけれど……。
しかも、おそるおそる抜歯した部分を鏡に映して見ると、ぽっかりと空いた大穴が真っ黒な色をしていました。もうずい分と昔に、歯を抜いた経験がありますが、あの時は、赤かったように記憶します。そして、数日経つと赤がピンクに変わっていったような。それに較べて、この黒の不気味なこと。
洗浄のために銀座の名医を再訪した際に、以上の症状を伝えると、先生は、「思っていたより炎症がひくのが遅いけれど、歯根膜炎がこじれちゃってたからしようがない。痛み止めと抗生物質(クラリス)を飲み続けるしかないな」と診断されました(「第2の医師」から処方された抗生物質はケフナールでしたが、この度はクラリス)。
一方で、「でも、もうアメリカに帰っても大丈夫ですよ」とも言ってくれました。その言葉に勇気づけられはしたものの、私はどうしても、この時点で、10時間のフライトに乗る気になれませんでした。すでに予約は2回変更。その度に2万5千円の変更料を払ったので、今度変更すれば合計7万5千円! 懐も痛いけりゃ、歯(のあったところ)も痛いけど、大事をとってまたまた帰国を延長します。まるで、ドロドロに酔った時のカラオケルームみたい……。
次のフライト予約は、1週間後。今度こそ、帰るゾ!
【歯根膜炎に関する参考サイト】
→歯チャンネル88「歯根膜炎と思われる症状だったのに抜髄、しかもまだ疼きます」
→歯根膜炎《河田歯科医院》(歯根膜炎について図解しています。ただし、私が通院した歯科医ではありません。)
【その他の参考サイト】