忘れもしません。あれは、入梅を迎えようかという5月31日。ロサンゼルスから成田空港に向かう飛行機の中のことでした(私は現在、ロサンゼルスに住んでいます)。
奥歯(右下、奥から2番目)にムニュムニュというか、ビビビンというか、ジジジンというか、とにかくなんとも不気味な違和感が走りました。直感的に、「これは神経系だ」と思いました。全身にいや〜な予感を憶えた私は、慌ててスチュワーデスさんから痛み止めをもらうと、ごくんと2粒飲み込みました。
さらなる何かが起こることに怯えながら、約10時間。幸い、さらなる何かは起こらぬまま、私は成田に降り立ちました。成田に着くと、公衆電話に直行です。
実はこの歯、約1年前に日本で虫歯を治療してもらっています。その時の医師の判断は、「神経は健康なので残しておく」というものでした。そこで、成田から同じ先生に電話をすると、
「ふーむ。そういう症状なら、今度は、神経を抜くしかないのかも」
と、受話器の向こうで言いました。
歯は生きています。だから、神経を抜かないほうが良いには決まっています。私はがっかりしましたが、一方で、もしかしたら、前日の徹夜による疲れと、機内の気圧変化のせいでそうなっただけで、普通に暮らしていればまた元通りになる、なんて考えたりもしていました。
振り返れば、あの時の私は甘かった……。甘いも甘い、大甘だった……。
その後に襲いかかる「どん底のトンネル生活」など想像することもなく、その日、私は歯医者の予約を取り、実家のある葛飾区立石へと向かったのでした。
「明日は、大好きなミツワでシロタレとガツナマでも食べよう!」なんて、ノー天気なことを考えながら……(ミツワや立石に関しては「♪ラブ・ユー立石」参)。
【歯根膜炎に関する参考サイト】
→歯チャンネル88「歯根膜炎と思われる症状だったのに抜髄、しかもまだ疼きます」
→歯根膜炎《河田歯科医院》(歯根膜炎について図解しています。ただし、私が通院した歯科医ではありません。)
【その他の参考サイト】