このところ、どうも左下奥歯の感じがよろしくない。物を食べると痛むし、何も食べていなくても、しばしば歯の底がジンジンするのです。
この歯は、歯根膜炎との闘いの最中にも気になっていたので、その際、日本の歯科医に診てもらっています。その時の診断は、
「患部のある右側をかばい、左でばかり食べているから負担がかかっている。しばらく様子を見ましょう」
といった内容でした(『悶絶の歯根膜炎【19日目】根管治療』参照)。
だけど、あれからかれこれ2カ月。「しばらく」といえる期間は過ぎたと思い、私は、今度は、アメリカの歯科医の門を叩きました。
レントゲン撮影、歯槽膿漏の検査、歯のクリーニングなど一連の作業の後で、先生は言いました。
「たぶん、歯にヒビが入っていると思います」
エエエエエー!
セ、センセイ、私、右の奥歯にヒビが入ってて、日本で、んじゃらかんじゃらあって歯根膜炎になって、ふんでもって2カ月近く泣き暮らした揚げ句に抜歯して、それでもずっと痛かったのが、最近になってようやく回復しつつあるっていう、そういう世にもかわいそうな女なんですけれど……。
大変気色の悪い既視感に、ふがふがしながらようやくのことで、私はそう言いました。
でも、先生の意見は変わりません。
「もしかして、あなた、かたい食べ物が好き?」
おっしゃる通り、私はかたい食べ物が大好きです。貝類、イカ、タコ、乾き物……焼き肉屋だって、肉ではなく、ホルモンやミノ、センマイなど、かたい物が目当てで行くくらい〈コリコリの硬派〉です。
その上、ものすごい歯ぎしりもします。
「え、歯ぎしりまであるの? それじゃあ、まず間違いないや。あなたみたいな人は、下の奥歯にヒビが入りやすいんですよ。ヒビはレントゲンにも映らないし、前にある歯や後ろの歯茎に隠れて、実際には見えないんですけどね。それでも、この感じはやっぱりヒビだろうなぁ」
ちょうど1カ月前、歯根膜炎との苦闘が終焉に近づき、アメリカに戻るために実家を後にした時のこと。母が、私の顔をまじまじと眺めて言いました。
「あんた、この2、3週間でめっきり白髪が増えたわ」
それは、自分でも気づいていたことでした。フランス革命の時、王妃、マリー・アントワネットは、髪が一夜にして真っ白になったといいますが、私の苦労も髪にきました。だのに、だのに、右のみならず左にも歯のヒビだと? ウッソだー!
「ま、とりあえず1カ月は、TOFUのような柔らかいものだけ食べて様子をみてください。その時点でもまだ痛いようなら、対策を考えましょう」(歯科医)
私の白髪はさらに増えてしまうのでしょうか?
ウッソー!!
*歯ぎしりをする人は、寝る前にマウスピースをすると良いそうです。なお、自分で作れる即席マウスピースの作り方は↓。
【歯根膜炎に関する参考サイト】
→歯チャンネル88「歯根膜炎と思われる症状だったのに抜髄、しかもまだ疼きます」
→歯根膜炎《河田歯科医院》(歯根膜炎について図解しています。ただし、私が通院した歯科医ではありません。)
【その他の参考サイト】