不安の一夜がどうにか明け、早朝、歯科医に駆け込みました。
先生は、
「もう、こうなったら抜髄しかないね」
と診断。
抜髄とは、「歯髄(歯の神経)を抜く」ということです。
疲労、気圧変化、それに過度の飲酒と、確かに、良くない条件は重なりましたが、ここまできたら致し方ありません。私は、先生の診断に大きくうなずきました。
急患だったので、先生は忙しく、助手の方が抜髄治療にあたりました。
麻酔注射、そして、かぶせ物や、その下に埋めてあったセメントを取った後、神経を抜きます。覚悟もできていたし、痛くもなかったのですが、やはり、歯科器具から響くグィーングィーンという音を聞くのは、気持ちの良いものではありません。
約1時間で抜髄終了。
助手の方は、抜いた神経の後(空洞になった管=細くて深い穴)に、完全に神経を殺すための薬を入れ、その上に、仮のセメントを埋めました。
「この薬がしっかり効くのに、1週間ほどかかりますから、その後に予約を取ってください」
助手の方からそう伝えられた私は、麻酔注射でボヨンボヨンとした感触の口で、
「ハイ」
と、明るく答えました。
もちろん、神経を抜かざるをえなかったのは残念でしたが、
「鳥肌が立つような違和感や、電光石火の激痛に、もう悩まされることはないのだ」
と思うと、私はいっそ、さっぱりとすがすがしい気分になっていました。
【歯根膜炎に関する参考サイト】
→歯チャンネル88「歯根膜炎と思われる症状だったのに抜髄、しかもまだ疼きます」
→歯根膜炎《河田歯科医院》(歯根膜炎について図解しています。ただし、私が通院した歯科医ではありません。)
【その他の参考サイト】
→東京・エド日本橋歯科(抜髄について書かれています。ただし、私が通院した歯科ではありません。)